「本校に入学する生徒には、気軽に『新書』を読める読書力をつけてほしい」【都立西高校 説明会より】
上記のように都立自校作成校では高い読解力を求める出題が年々増えています。
新書とは・・一般的に専門書、教養書などのノンフィクションジャンルで、本当の専門書(たとえば大学野の教科書)ほどの難解さはない入門書レベルの気軽な内容のものです。
長男が通っていたena最高水準でお世話になった先生がおすすめしてくれた新書を中心に、長男が読んで面白くて勉強になった!という本をご紹介します。
都立高校の推薦試験ではロジカルな考え方ができるかが問われるのですが、そんな時にも役に立ちますので、是非読んでみてください。
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中3になると忙しくなるので、出来れば時間のある中2までに読んでおくのがお勧めです。


【東大卒プロゲーマー】ときど
(あらすじ)
優勝回数世界一のプロゲーマー、初の自著!
ゲームと勉強をリンクさせて東大に合格、バイオマテリアル研究の成果が国際学会で評価された人物は、なぜエリートコースを捨て、未開の地だったプロゲーマーの世界へ進んだのか? さらに彼はプロ入り後、順調に勝ち星を増やしていたにもかかわらず、最大の武器である合理性を手放すことを決意する。
論理の限界にぶつかったIQプレイヤーは、何を考え、どう行動したのか――ゲームをとおしてたどりついた、新しい勝利の方程式。(BOOKデータベースより)
(おすすめポイント)著者のときどさんは、ena最高水準の先生と同じ麻布高校出身ということもあり紹介してくれたのだと思いますが、レビューもとても高い本です。著者が自分と向き合い、葛藤しながらも前に進んでいく姿は感銘を受けます。長男におすすめされて私も読みましたが、とても面白かったです。
ちなみに長男はこの本で読書感想文を書き佳作に選ばれました。(ena最高水準の友達もこの本で読書感想文を書き佳作に選ばれたそうです)
読みやすい本なので、気軽に読みたい方にもお勧めです。
【虚ろな十字架】東野圭吾
(あらすじ)
中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、彼女が犯罪被害者遺族の立場から死刑廃止反対を訴えていたと知る。一方、町村の娘婿である仁科史也は、離婚して町村たちと縁を切るよう母親から迫られていた―。(BOOKデータベースより)
(おすすめポイント)大人気作家、東野圭吾さんの本です。重いテーマの本ですが、死刑制度について考えさせられます。かなり刺激的な内容がふくまれ、フィクションとはいえ、目を背けたくなるであろう現実を直視する必要も出てきます。社会分野、公民的テーマに関わるということで、塾の先生がおすすめしてくれました。
【さおだけやはなぜ潰れないのか 身近な疑問からはじめる会計学】山田真哉
(あらすじ)あの店はいつも客がいないのになぜ潰れないのだろうか?――この本では、日々の生活に転がっている「身近な疑問」から考えることで、会計の重要なエッセンスを学んでいきます。細かい財務諸表は出てきませんし、専門用語もそれほど多くありませんので、気を楽にして、ひとつの読み物として読んでみてください。「会計が嫌い」「会計が苦手」「会計を学んでも意味がない」と思っている方でも、きっと会計に対する見方が変わるはず。(BOOKデータベースより)
(おすすめポイント)いわずと知れたベストセラー本。(もはや古典となりつつある新書の名著です。)町で見かけるあまり儲かっていなそうなお店。どうやって収益を出しているのか?という疑問に対し、本業の裏で、本業と関連した副業をしている実態などが書かれており、なるほど~と思わせてくれます。物事を一方向から見るのではなく、別の角度で見るとまた別の顔が見えてくる・・色んな観点から物事を見るヒントにもなります。将来金融や経営に興味のある人はもちろん、日常生活での思考を深めるきっかけとなるので、是非読んでみてください。
【進化とは何だろうか】長谷川眞理子
(あらすじ)
私たちの住む地球には,なぜこんなにも多種多様な生き物がいるのか? それらはどういうプロセスを経て今日のような形になったのか? 適応化,遺伝子の組み替えの謎,淘汰のメカニズムや,オス・メスの性差の意味,配偶をめぐる競争などについて,豊富な具体例とエピソードを紹介しつつ,「進化」のメカニズムの謎を解く(BOOKデータベースより)
長男が生物について興味をもったきっかけとなった本。生物の「進化」についてロジカルに解説しています。ある日長男に、



進化ってどういうことか説明できる?
と聞かれ、
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動物が環境に適応しようとして、自然に体が変わっていったじゃないの?たとえばキリンが高いところにある食べ物を取ろうとして首が長くなっていったみたいに・・
と答えたら、



違うんだよね。たまたま首の長いキリンだけがライバルたちの届かないところにある食べ物を食べることが出来て生き残ったんだよ。首の短いキリンは食べられなくて死んでいったの。だからキリンは首が長いの。
と言われました。
私の様に進化について勘違いしている人も多いと思うのですが、実際にはたまたまその時代、その環境に適応した種が生き残った結果が「進化」だそうです。



SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の学校(日比谷高校、戸山高校、立川高校など)を志望している子はこのような科学的な視点を身についておくと良いですよ。
【ソロモンの指環】コンラート・ローレンツ
(内容)“刷り込み”などの理論で著名なノーベル賞受賞の動物行動学者ローレンツが、けものや鳥、魚たちの生態をユーモアとシンパシーあふれる筆致で描いた、永遠の名作。(BOOKデータベースより)
(おすすめポイント)
著者のコンラート・ローレンツは1973年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。著者は家じゅうで様々な動物たち(ねずみ、オウム、ハイイロガン、小鳥、カラス、キツネザル、などなど)を放し飼いで飼い、かれらを自由にふるまわせました。(こんなことを許してくれる奥さんはローレンツの奥さん以外いないでしょう。)
面白いのは、ローレンツの娘が小さかったころ、動物たちが娘にいたずらをしないように、動物たちではなく娘を檻にいれたところです。
日比谷高校に生物学者の方が来て講演された際に、長男がいろいろ質問していたらこの本をプレゼントしてくださったそうです。ノーベル学者の書いた本だから難しいのでは?と思われがちですが、とても読みやすくて面白い本です。
【思考の整理学】外山滋比古
(内容)今より30年以上前に出版された本だが、思考について様々な観点から論じている。人間をグライダーと飛行機になぞらえ、今の学校教育だと、受動的に知識を得るグライダー人間を量産するが、自分の頭で物事を発明、発見する飛行機人間は育ちにくいと言ったことや、思考は寝させる(少し時間を置く)ほうが良いと言ったことだったりを分かりやすく書いている。歴代の東大生・京大生が根強く支持する異例のベスト&ロングセラー。
(おすすめポイント)著者の言う「飛行機人間」は、これからの時代を担う理想の人物像であり、都立トップ校もそのような考え方のできる生徒に入学してほしいと思っています。この作者の著書は受験に頻出です。
【宇宙はなんで出来ているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎 】村山斉
難易度★★★
(あらすじ)
本書は、素粒子物理学の基本中の基本をやさしくかみくだきながら、「宇宙はどう始まったのか」「私たちはなぜ存在するのか」「宇宙はこれからどうなるのか」という人類永遠の疑問に挑む、限りなく小さくて大きな物語。(BOOKデータベースより)
(おすすめポイント)
きわめて難しい宇宙とはなんで出来ているのか?という問いに対し分かりやすく平易な言葉で説明した本。とはいえ、すべて理解するのは難しい難易度高めの本。
長男は宇宙に興味があったので、難しかったけれど面白かったと言っていました。日比谷高校の推薦入試の際、この本を読んだ影響で「将来素粒子の研究をしたい」と言ったそうで、面接官とすこし突っ込んだ話も出来たらしく、役に立ったと言っていました。
まとめ
暗記、計算、中心の学習方法から、課題を見つけ、その解決方法を自分の頭で考える学習方法へとシフトしてきている今、そのヒントになるような本を紹介しました。
夏休み中に最低1冊は読むようにと息子は塾の先生からいわれたそうです。
これらの本を読むことで、物事について深く考える習慣がつけば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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